House S

高い天井、大きな窓辺に床まで引きずる程のインド綿オーガンジーをカーテンとして取り付けた。真っ白な空間と、窓の外にみえる景色や家の中の家具、暮らしの道具が持つ色合い。その明快なコントラストを、インド綿の素朴な生成り色がゆるやかに橋渡しするイメージで制作をした。カーテンを完全に閉じると生成りはやわらかな白の世界にそっと溶け込もうとするが、反対にカーテンを開きその細かくて豊かなドレープを束ねると、部屋の隅にあたたかな日だまりを蓄えたかのような、優しい陰影の溜まりが現れる。

  • Curtain Design: Haruka Shoji
  • Photography: Eri Kawamura
  • May 2018